キメラ達が過ぎ去った後、町はやけに静かになった。
爆発地点からは、しばらくの間、煙が立ち昇っていた。
――そうだ、リョウタはどうなったのだろうか――
その疑問は他の生徒も同じだったようで、みんなで探しに行く事になった。
「おーい、リョウタ、聞こえるか!?」
返らないかもしれない返事を待ちながら、そう叫んで辺りを歩いた。
カズ達の他にも何人かの人が来ていて、再会を喜んで涙したり、別れを悲しんで泣いたりしていた。
そんな中、微かな返事が聞こえたような気がした。
「おーい・・・・・・ズ・・・・・・・助け・・・・・。」
「!?・・・リョウタ!?おい、何処だ!?」
「カズ・・・・・・こだ・・・・・助け・・・・。」
辺りを見回すと、瓦礫の下に少年が一人、埋もれているのが見えた。
「リョウタ・・・なのか!?今助けてやる!」
協力して瓦礫をどかすと、全身がススだらけになったリョウタが出てきた。
「ふぅ・・・・助かった。本当に感謝するよ。」
リョウタは黒くなった顔で、笑った。
「良かった・・・・。でも、この分だと、家族は・・・・・。」
「・・・・・・助かってない、と思う・・・・・。」
リョウタの顔が曇った。
「あ、ごめん、嫌な事、聞いちまって。・・・ここは危険だ、避難しよう。」
「良いんだ、覚悟はしてた事だし・・・・。そうだね、避難しよう。」
後日、爆発の犠牲者数が明らかになった。
負傷者30名、死傷者7名、だそうだ。
その中にリョウタが含まれていない事は嬉しい事だったが、リョウタの家族の事を思うと、喜べなくなった。
春井家の葬儀も行われ、ほぼ全員の生徒、先生が出席した。
町に賑わいが戻り始めた頃、ある法律が可決された。
それは、「国民に危害を加える生物及び兵器が国土に上陸してきた場合、特別に武器の使用を認める」というものだった。
生徒全員には護身用のハンドガンが支給され、仮設の射撃場も建てられた。
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